椿三十郎役に織田裕二? それでは余りに子供っぽすぎる

日本映画のひどいキャスティングは枚挙に暇がないといっていいほどですが、
リメイクでのミスキャストという事で元になった名作のイメージまで傷つけた酷い例が、
故森田芳光監督の「椿三十郎」です。

昔の黒澤明作品のシナリオをアレンジせずに
そのまま使用するという一種実験的な映画でしたが、
配役まで実験的にしなくてもいいだろ、
と皮肉を言いたくなるくらい、
織田裕二の三十郎役は合っていませんでした。

大体、オリジナルで主役だった三船敏郎は、
日本人の中で掛け値なしに国際的スターといえる唯一の俳優です。

数々の黒澤作品でカリスマ性のある演技を披瀝してきたからこそ、
それだけの人気を外国にまで広げたわけで、
その魅力はオリジナルの「椿三十郎」にも染み渡っていました。

そういう主演スターの力が作品を支えるような映画を、
色々な点で三船の足元にも及ばない織田裕二を主役に迎えて作り直すなど、
企画段階で無理があったというしかありません。

とにかく作品全体の子供っぽさは悲惨というしかありませんでした。